2015年8月31日月曜日

自立法採決に向けて(5)



さて、特別国会は今日8月31日で終わり明日から通常国会になります。大統領府のホームページにはこの特別国会で大統領府が提出した法案の審議の進み具合が掲載されていました。それによると36の法案が大統領府から提出されていたわけですね。自立法である17305法案もそこにちゃんと載っていました。




現在のところ9月9日に委員会から再提出。17日にそれが認められるという方向は変わっておらず、モルフォも小休止状態になりました。先週先々週と国会に行って、そこで出会った記者の人たちに取材してもらったものが少しずつメディアに載るようになりました。上のビデオは6チャンネルで7チャンネルと並んでコスタリカではみんなが見ている確率が高いものです。大使館の五十嵐さんの情報では今朝のニュースでは7チャンネルにもウェンディが出ていたという話しです。下のはエクストラというこれも全国紙です。最初に国会に行ったときに載りました。ステッカーを作りにも、マスコミ対策でもすべてにおいて始動が遅いので、ひやひやしながら見ていたのですが、まあ何とか形になってきました。



もうひとつ、これは今月の3日ですが、以前JICAで広報を担当していたバーレイが現在プレンサリブレという新聞で働いていて、そこにも自立法を紹介してくれています。




先週木曜日には国会のテレビに障害者委員会委員長のオスカル・ロペス議員がインタビューでこの法案の重要性について語っています。

2015年8月27日木曜日

自立法採決に向けて(4)


さてあまり進展もないのですが、自立法関係の情報の続報を纏めておきます。
月曜日と火曜日に国会に行ってロビー活動を行っていたルイス、ウェンディ、マイノル、カルロスですが、カルロスを残して昨日水曜日に一旦みんなペレスセレドンに帰って来ました。

帰って来たルイスは、どの議員に会っても自立法は好意的に受け取られていてまだ反対する議員はいなかったとのことでした。採決には至っていないけれど、自分としては今回国会に行って一定の満足感はあったと言っていました。さてその審議ですが現在伝わっている情報では、9月以降になる可能性が大きくなってきました。今問題となっているのは、自立法の法案には担当機関がまだコンセホになったままになっているらしく、一度委員会に戻しそれをまずCONAPDISに書き換えてから再提出という流れになるということでした。けれどこれは実はルイスが日本に来たときにすでに問題として言っていたことなので、今頃何でこうした話しが出てくるんだろうと疑問には思いました。

具体的には9日に再提出して17日にそれを承認されてから審議ということらしいのですが、さてどうなるでしょう。政治家の好意的なコメントも含めてあまりそのまま受け取るのは危険なよう気がしています。

昨日サンホセに残ったカルロスは、いくつかある党のそれぞれの代表者に自立法を優先して審議してくれるように要望書を渡してきました。前回のブログで触れたCONAPDISのフランシスコ氏も担当機関の立場から法案に賛成であるという文書を国会に送ってくれたようだと、理事会メンバーであるダマリスさんが伝えてくれています。今回動き出してモルフォだけでなくそれぞれの立場で色んな人が動いてくれていることは確認できました。法案は提出されているのになかなな審議が始まらないので不安にはなりますが、大枠はぼくらに優位に動いていることを信じてもう少し様子を注視しようと思っています。

さて、ペレスは午後に相変わらずたくさん雨は降るのですが、午前中は比較的爽やかな天気がつづいています。玄関横では何か女性たちが秘密会議、何を話しているのかははっきり聞こえなかったのですが、わりと真剣に何か話されていました。マルセラが加わり、フランシーニが準メンバーみたいになっていてモルフォもだんだん雰囲気が変わって来ました。日本で研修を受けたメンバーだけでなく地元でこれと思った人をメンバーに加えていっていて、こうしたところからもだんだんと地域に根ざし始めていることが分かりますね。

2015年8月25日火曜日

自立法採決に向けて(3)


モルフォでは仕事の連絡などほぼすべてのやり取りをWhatsAppというスマホのアプリで行っています。LINEと同じようなものですがこちらでは断然WhatsAppの普及度が高いです。グループ分けがなされていて、「モルフォ仕事用」「モルフォファミリー交流用」などがあり、今年初めに「ラテンアメリカ自立生活運動」というグループが作られこれは国境を越えてラテンアメリカで自立生活運動に関わっている人がほとんど入っています。コンピュータをみなが持っているかは分かりませんが、携帯ならほとんどの人が持っているでしょう。電話番号さえ分かればすぐに招待できるので、あっという間にネットワークが出来ています。どの国の出来事も瞬時に知れ渡るので、見ているとちょっと壮観です。ぼくが最近しばしば「来年あたり南米で自立生活運動の大きな波が来る」と予言者めいた言葉を繰り返しているのには、こうしたところに根拠があるんですね。

さて、このWhatsAppに先週末「#17305最終コーナー」という新しいグループが出来ました。これにはコスタリカ中の障害当事者や健常者の支援者、議員のアドバイザーなども参加しています。一つのグループに登録できるメンバーは100人らしいのですが、すぐにいっぱいになりました。ちょうどこのタイミングでiPhoneでは使えなかったこのアプリのWebバージョンがリリースされたので、居残り組のぼくも事務所でMacを開きながら刻々と入ってくる国会からの情報をチェックしています。

先週国会で出会ったさる議員アドバイザーの伝手で、モルフォメンバーは今朝CONAPDISの代表フランシスコ・アソフェイファ氏と面会していました。そもそもそのアドバイザーは観光業に関するバリアフリーの仕事をしていて、CONAPDISに圧力を掛けるためにモルフォの力を借りたいということでした。ぼくはもう少し自立法に集中してほしかったのですが、この3月に前職のエリックからフランシスコが代表を引き継いで以降まだ会ったことがなかったこともありちょうど利害が一致したようでした。自立法では、介助派遣の申請窓口になる日本の市役所にあたる役割をこのCONAPDISが行います。ウェンディによれば、フランシスコはその担当機関の立場から自立法に賛成するレターを国会に送ると言ってくれたそうです。




国会ではロビー活動がつづいています。国会のホームページにその日議会で行われたことがすべて公開されているのですが、週末24ある法案のうち23番でだった自立法は昨日25のうち24番目になっていました。順番落ちてるじゃんと思って見ていたのですが、国会で活動しているメンバーのテンションは落ちていない模様。なんとかこの国会中の審議を求めて働きかけています。ロビー活動の詳細はモルフォのFacebookページに載ってます。



WhatsAppのグループに100人いる割りには昨日国会から送られてきた写真にはあまりたくさんの人が集まっているようではありませんでした。ここはまだここというタイミングではないというのもありますし、予算の事も労力の事もあります。しかし事務所でもこうしてプラカード作りをやっています。フランシーニはいざというときに備えて、地元のサンビトには帰らずモルフォに待機しています。

2015年8月24日月曜日

自立法採決に向けて(2)


というわけで、先週の水曜日と木曜日、とりあえず法案は国会にあるということでモルフォメンバーと事務所によく来る障害者の人たちでサンホセ国会まで行ってきました。5時と5時半のバスに分かれて行きましたが、さすがに眠いです。



ペレスセレドンより南のサンビトからはフランシーニが前日入りしており、同じバスでサンホセへ。サンホセにはすでにサンラモンのルイス・パブロ、グァピレスのジェセニアとマリベル、プンタレナスのアンジーとルイス・アルベルト(別人です。トップの写真のサングラスがルイス・アルベルト、赤いシャツがアンジーです)。それにサンホセのメンバーが集まって待っていました。自立法の説明をあらためてみんな集まってもらってカルロスがやったりしているうちにお昼近くになったのでとりあえず昼食。

















午後からは、議員周りをするグループと国会議場横にあるガラス越しのスペースでプラカードを持って議員にアピールするグループに分かれて早速活動開始です。





翌日も活動は午後からでした。やはり議員への説明とこの日は4時から会議室を借りることができ、議員を呼んでビデオを見せながら自立法の説明を行いました。


週が明けて今日月曜日は、再びモルフォからはルイス、ウェンディ、カルロスが国会に行っています。情報によればサンホセのカルラ、アンドレス、アレックスも合流している模様。先週の国会行きは、アピール活動とともに情報収集のためでもありました。

8月の特別国会に提出されている法案は24ありそのうち自立法は23番目です。提出の時に不備があり順位が下がったと言われていましたが本当のところはよく分かりません。この順番を何とか上げて今月中に審議されるように今週も国会に行っているのですが、先週国会で会ったこの法案の提出者オスカル・ロペス議員は、月曜日に審議されることはないから無駄に来なくていいとも言っていました。妙に余裕を見せた話し方で、すでに長期の展望すらあるような感じでしたが、それは議員特有のはったりめいたポーズなのかもとも見えました。色んな人が色んなことを言っていてよく分からない状況に放り込まれて、これは完全に政治の世界だな〜と思っているのですが、すくなくとも今月採決の可能性が残っている限りモルフォメンバーは国会に詰めてアピールを続けるつもりです。

2015年8月17日月曜日

自立法採決に向けて(1)


上の写真は土曜日の午後です。この日自立法に関する緊急の会議をやりました。前日金曜日に大統領府のエリカ・アルバレス女史からの情報で、この二週間くらいが山であることが分かり、慌てて対応を協議しているところです。

法案は先週木曜日に審議リストに入りました。今は7月に通常国会が終わり特別国会が行われているところです。この時期に提出される法案は少なく、福祉分野では唯一の法案だそうです。この法案は行政府である大統領府から提出されており、これはそもそも2009年にこの法案が最初に発議されたときの提案者の一人が議員時代の副大統領アナ・エレナ・チャコン女史であったことがあります。今の時期を逃し9月以降になると、その他の法案が入ってきた中で競合しながら審議の時期を待たないといけなく、8月のこの国会中に通してしまうことが望ましいというのがエリカのアドバイスでした。エリカは廉田さんとぼくが2008年に最初にコスタリカに行ったときからの知り合いで、モルフォのメンバーともずっと仲間としてやってきました。昨年まではPACという政党の障害分野のアドバイザーで国会で働いていたのですが、政権交代と同時に副大統領付となり大統領府で働いています。



水曜日と木曜日に国会に行って、プレゼンをやりながら議員の理解を深めることになったので、今日はペレスから誰が行けそうかリストアップしながら朝から作戦会議をやっています。全国の障害者を集めての一斉行動になります。盛りあがりますね笑。



















さて、午後はサンホセからCONAPDISとCOINDISの人たちが来てセミナーをやっています。機構変更して国家リハビリテーション特殊教育審議CNREEから国家障害者審議会CNAPDISになったのですが、どこが変わったかの説明や、このペレスセレドンの障害者からの意見を聞くセミナーを全国でやっており、今日はそのペレスセレドン編となっています。もうお馴染みになったCOINDISのマヌエルさんとフランシスコさん、講師の一人で久しぶりにダマリスさんが来ました。この事務所は初めてということでした。モルフォはペレスセレドンの障害者の生活にはなくてはならないものになっているのですね。

ちゃんと手話通訳が用意されています。





2015年8月11日火曜日

母の日パーティー


日曜日の夜にちょっと大がかりなパーティがありました。
コスタリカでは8月15日が母の日なのですが、おそらく色々都合でちょっと早めにそのパーティがモルフォで行われました。7月の初めにぼくがこちらに到着した頃にはもう準備が始まっていたので、かれこれ一ヶ月ほどこの準備をやっていたのではないでしょうか。



発案はウェンディらしいのですが、何が大がかりかというと、地元のメンバーはもちろん、グァナカステから、リオクラーロから、ケッポスからと遠方に住んでいるお母さんを全員招待して母の日のお祝いをやろうということで実際ほぼ全員揃っていました。

































このパーティはジルラニが中心になって準備をしていて、週末毎に飾り付けを作ったりしていたのは知っていたのですが、こんな盛大にやるとは思っていませんでした。マリアッチが来て盛り上げたり、お馴染みホルヘさんのトリオの演奏もありました。家族の好みを当てるクイズがあったり、モルフォの活動を紹介するビデオを見るコーナーがあったり6時から9時過ぎまでかなりびっしりのメニューがつづきました。




ウェンディは昨年のこの日に、こういうのをやりたいな〜って思いついたらしいのですが、自立法ももうすぐ出来そうだし、仕事も少し落ち着いて家族に感謝と共に自分の仕事を少し見せたい気持ちもあるのかな〜って思ってパーティに参加していました。一般的に社会に伝えていくことも大切ですが、最も身近な人に知ってもらって足下を固めておくことも大事かなって思いました。

信吾くんもこの夜が最後。翌朝サンホセに旅立っていきました。

2015年8月7日金曜日

自立法ステッカー


さて8月ですね。今週は雨が少なく、日本ほどではないにしても暑い日がつづいています。今月から自立法が国会で審議されることになっているので詳細な日程を待っているところです。

写真でみんなが持っているのはその自立法のキャンペーンのために作ったステッカーです。火曜日にできあがり、水曜日からウェンディとルイスがプンタレナスで行った研修でも向こうの仲間に配ってきました。とりあえず1000枚作ったのでこれから各地で配りながら法律への賛同を訴えていくことになっています。

















今朝は久しぶりにコンセホ、法律が変わってCONAPDISに行ってきました。坂井信吾くんの滞在が来週月曜日までとなって、最後にかつてからの協力者マルコスさんとパウラさんにインタビューするのに同行していきました。

両人ともプロジェクトKaloieの時代から一番の協力者で、現在も最も信頼できる政府関係者だと言えます。なかなか他の地域に行ってこうした障害当事者と役所が信頼関係を築いて協力している例は少ないと思います。

質問の中には当然自立法のことも出てくるのですが、お二人とも成立するだろうという見通しで、とくにマルコスさんは余程のことがないかぎり通るだろう、今がそのタイミングで、これを逃したら今度いつ来るのか分からないくらいだと言っていました。通ったら自分は仕事休んでお祭りにすると言ってくれていました。

ぼくも通ることを望んでいますし、おそらく通るだろうとは思っているのですが、こうしてほんとに近づいて来るとドキドキしてきました。

ついでに隣の知的障害者の通所施設カイパッドにも行ってきました。以前介助者をしていたカタリーナが働いていると聞いていたのですが、食堂を覗いたらそこにいました。相変わらず可愛かったんですが、残念写真撮るの忘れちゃいました。